とんかつの衣には、小麦が2層入っています。 肉に小麦粉をまぶし、卵にくぐらせ、パン粉を付けて揚げるからです。

豚肉そのものに小麦は含まれません。しかし、衣に使う小麦粉はもちろん、パン粉も小麦のパンから作られていることは、意外と知られていません。

小麦アレルギーの方が普通のとんかつを食べるのは、難しいケースが多いです。家なら、米粉とグルテンフリーのパン粉で作れます。

この記事では、衣とソースに何が入っているかをまとめました。「カツ」と付く料理や、代わりになりそうな豚肉料理の中身、家での作り方も書いています。

書いている私たちについて

妻の Komemaru は軽度の小麦アレルギーで、セリアック病ではありません。衣の小麦粉もパン粉も小麦なので、普通のとんかつは食べていません。

この記事は、袋の表示を読んだり、家で作ったりする中で分かったことをもとに書いています。安全に関わる部分は、妻の基準ではなく、より厳しいセリアック病の方の基準で書いています。

衣の3つの層

図解:とんかつの衣は3層。外側からパン粉(小麦)、溶き卵(小麦なし)、小麦粉(小麦)。その中の豚肉に小麦は入っていない

肉に小麦粉をまぶし、溶き卵にくぐらせて、パン粉を付けます。小麦粉が卵を肉にくっつけ、卵がパン粉をくっつけます。お店でも家庭でも、この順番は同じです。普通の作り方では、どの層も省けません。

パン粉

パン粉は、パンを乾かして砕いたものです。衣の中でいちばん厚い層で、あのサクサクした食感を作っています。小麦のパンから作られていることは、あまり意識されていないかもしれません。

ソースは商品によって違います

とんかつソースは、果実と野菜、酢、砂糖、香辛料などから作られています。小麦由来の原材料や醤油が入っている商品も、どちらも入っていない商品もあり、スーパーの同じ棚に並んでいます。

色や味が同じように見えても、中身は違います。買うときは、その都度表示を確認しましょう。

飲食店では、ソースが卓上の別容器に移されて、表示を見られないケースも少なくありません。この場合は、お店の方に成分を確認してもらうことになります。

「カツ」と付く料理

図解:「カツ」は衣の名前。とんかつ、チキンカツ、メンチカツ、ハムカツ、牛カツ、串カツ、コロッケは同じ衣。カツ丼は煮汁の醤油、カツカレーはルーの小麦粉、カツサンドはパンの小麦が加わる。エビフライとカキフライも同じ衣

とんかつ、チキンカツ、メンチカツ、ハムカツ、牛カツ、串カツは、中身が違うだけで衣は同じです。エビフライやカキフライも、同じパン粉の衣です。カツ丼は煮汁の醤油、カツカレーはカレーのルーの小麦粉、カツサンドはパンの小麦が加わります。

安全上の注意

「カツ」は肉の種類ではなく、衣の名前です。

名前に「カツ」と付く料理は、中身が何であっても、同じ2層の小麦が入っています。コロッケも、カツとは付きませんが同じ衣です。カツの中に小麦の少ないものはありません。

小さなカツは、スーパーや駅のお弁当にもよく入っています。

定食の付け合わせ

  • 千切りキャベツ: キャベツは大丈夫です。ただし、醤油系のドレッシングやゴマドレッシングなどに小麦が含まれているケースは少なくありません。
  • ご飯: 大丈夫です。ただし、もち麦ご飯など、注意が必要なケースもあります。
  • 味噌汁: 味噌が麦で作られていることがあり、顆粒の合わせ出汁を使っていることも多いです。
  • 漬物: 醤油で味付けしてあるものが多いです。

揚げ油

とんかつ店では、一日中ひとつの油でパン粉の衣を揚げているケースが多いです。つまり、そこから出てくるものには、すべて小麦が付いています。

小麦の衣を扱わない天ぷら店は実際にありますが、同じようなとんかつ店を、私たちは知りません。正確には数年前は東京に存在したようですが、現在はグルテンフリー対応していないそうなので、私たちは、東京にあって、小麦を使わないグルテンフリーのとんかつ店を知りません。ただし、グルテンフリーのチキンカツや味噌カツなどを扱う店は知っています(2026年11月4日時点)。

そのため、とんかつ店に別の作り方をお願いすることはオススメしていません。この違いは天ぷらの記事に書いています。

代わりになりそうな豚肉料理

豚肉そのものに小麦は含まれませんが、油で揚げない豚肉料理にも小麦が含まれるケースは多いです。そのため、私たちはどれも、確認せずに注文することはしていません。

図解:確かめたい豚肉料理。しゃぶしゃぶは出汁とつけだれ。豚の塩焼きは焼く前に小麦粉をまぶすことがある。豚の煮物は煮汁に醤油。角煮は醤油で煮る。生姜焼きはたれが醤油

  • しゃぶしゃぶ: 出汁は昆布だけのことも、醤油で味付けしてあることもあります。ポン酢には醤油が使われています。ごまダレも、市販品には醤油や味噌が入っていることが多くあります。
  • 豚の塩焼き: 塩で味付けしていても、焼く前に小麦粉をまぶしていることがあります。メニューには書かれません。
  • 豚の煮物・角煮: 煮汁に醤油を使っていることがほとんどです。
  • 生姜焼き: タレに醤油を使っています。

よく見かける情報についての注意

豚肉に小麦が含まれなくても、豚肉料理に小麦が入っていないとは限りません。

しゃぶしゃぶや豚の塩焼きを、セリアック病の方が安全に選べる料理として挙げているページがあれば、注意が必要です。確認したいのは主に3つ。出汁に何が入っているか、つけダレに何が入っているか、調理の前に肉に何かをまぶしているか。

私たちが頼りにしているのは2つです。あらかじめ確認してあるお店(東京グルテンフリーガイド)と、自炊です。

家で作る(自炊)

私たちは、年に数回、家でとんかつを作っています。私たちが調べた限り、2026年11月4日時点で、東京にグルテンフリーのとんかつを出すお店は、おそらく存在しないからです。

材料

  • 塩こしょう: 衣を付ける前に、肉に下味を付けます。
  • 米粉: 小麦粉の代わりです。
  • 卵: そのままです。
  • グルテンフリーのパン粉: 米粉のパンから作られたものです。
  • 米油: 家に常備している揚げ油です。
  • 岩塩: 食べるときの塩です。
  • グルテンフリーのソース: 手に入るときに。

米粉もグルテンフリーのパン粉も、大きめのスーパーならたいてい置いています。近所の小さなスーパーにはないことが多いので、見かけたときに買っておくと便利です。

塩で食べる

良いとんかつ店では、ソースの隣に塩を置いています。わが家でもソースと岩塩の両方を出して、交互に食べています。ソースが手に入らないときも、岩塩だけで十分美味しく食べられます。お金をかけるなら、ソースより豚肉と塩がオススメです。塩なら、表示を確認する必要もありません。

千切りキャベツは、塩があればドレッシングなしで食べられます。確認するものがひとつ減ります。塩だけだと物足りない場合は、塩に味の素などをかけて混ぜると、より美味しく食べられると思います。

オーブンは試していません

揚げずにオーブンで焼く方法は試していないので、オススメできるかどうかは分かりません。同じ揚げ物の唐揚げをオーブンで作ったときは、1回目は失敗し、2回目に自分たちのオーブンに合わせて調整して、ようやく上手くいきました。レシピ通りに作ってもうまくいかないことがあるように思われるので、オーブンを使う方は注意していただくと良さそうです。

お店で聞くこと

とんかつ店の主菜を小麦なしで作ってもらうのは難しいので、次の質問は、カツ以外に食べられるものを探すためのものです。そのまま使えます。

聞き方の注意

「塩だけで味付けした料理はありますか?」という聞き方は避けてください。

味付けを聞いているので、小麦粉をまぶしてから塩で味付けした豚肉も「はい」という答えになるケースが多いからです。でも、お店の方に悪気はありません。

上の2つのように、小麦粉やパン粉と材料の名前を挙げて聞いてください。厨房で確認しやすく、役に立つ答えが返ってきやすいと思います。

海外からのお客さまをお連れするなら

とんかつは海外の方にも人気がありますが、セリアック病の方をとんかつ店にご案内するのは難しいケースが多いです。豚肉料理を選ぶなら、代わりの料理も含めて、前もってお店に確認しておくのがオススメです。お店の選び方は接待・会食の店選びにまとめています。

まとめ

とんかつの衣には、小麦粉とパン粉の2層の小麦が入っています。「カツ」と付く料理はすべて同じです。揚げ油もパン粉の衣と共用です。ソースだけは、商品によって違います。

ネットで調べたときに、代わりにオススメされがちな豚肉料理も、確認せずには頼めません。私たちは、あらかじめ確認したお店で食べるか、米粉とグルテンフリーのパン粉を使って、自宅でとんかつを作って食べます。

私たちが実際に訪ねて確かめた東京のお店は、東京グルテンフリーガイドにまとめています。


この記事は、とんかつに何が入っているかと、私たちの家での作り方をまとめたものです。書いているのは、妻に軽度の小麦アレルギーがある夫婦です(セリアック病ではありません)。個人の体験と原材料表示をもとにした記録で、安全を保証するものではありません。商品やお店のレシピは変わることがあります。表示を読み、お店へ直接ご確認ください。情報は2026年11月時点のものです。情報提供のみで、医療上の助言ではありません。